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NHKのテレビ放映はじまる!

 この年の夏から、名瀬市を中心にNHKテレビジョンの試験放送が頻繁に行われはじめました。現金なもので、昨年までラジオの前に釘付けだった息子たちは、もう見向きもしません。我が家でラジオが脚光を浴びたのはたった1年でした。

 さっそくわが家でもテレビを購入しましたが、モノクロの画面に息子たちはまたまた夢中でした【夢で逢いましょう】【若い季節】【事件記者】【花の生涯】【チロリン村とクルミの木】【たまゆら】などなど、子供向け、大人向けという内容は関係無しに、ただ映像が動くのを観ているだけで楽しかったようでした。テレビのある家庭や電気店の店頭に人が集まっていました。大人も子供もテレビが珍しかったのだと思います。翌年は東京オリンピックが開催されるという事もあり、番組に少しづつカラー放送が増えてゆきました。

 ラジオやテレビが入って、奄美群民の娯楽の質が大きく変わりました。参加型のものから受身のものへと変質したのだと、今なら判ります。テレビを通して島外へと視野も広がりましたが、そのために私たちが見失った奄美独特の文化、その代償は、とてつもなく大きかったように思えます。