宇検村屋鈍(やどん)出身の吉永武英(よしながたけひで)さんの録音は、豊田トミさん(瀬戸内町古仁屋出身・故人)と山田すま子さん(笠利町喜瀬〔きせ〕出身)の囃子で行ないましたが、場所は、私の小俣(こまた)町にあった自宅の義母の部屋でした。スケジュールの関係でこうなってしまったのですが、お隣近所の方々から
「とてもうるさくて我慢できない。」
と苦情があり、大変苦労した録音でした。
その事で頭を悩ませたためか、この録音中の細かい記憶が定かではありません。
「島唄を歌ってシマンチュに『うるさい』って言われるなんて、それは、よっぽど遅くまで録音をやっていたんじゃないの?」
と、後日知人に言われました。そうだったのかも知れません。今でも我々は、昼夜を忘れて録音を行なっていますから。
これは、録音スタジオの必要性を強く感じた出来事でした。
吉永さんは、宇検村出身の唄者・嶺直則(みねなおのり)さんに師事。男性的で胸深く訴えるようなしみじみとした唄い手で、かねがね手がけたいと思っていましたし、前述のような労作でもありましたので愛着もまたひとしおです。また、豊田トミさんは、当時の女性には珍しい三味線の弾き手でした。
朝花(あさばな)/俊良主(しゅんりょうしゅ)
くるだんど/しゅんかね
いそ加那/すばやど/とらさん長嶺(ながね)
かんつめ/塩道長浜(しゅみちながはま)/長朝花
上がれ日ぬはる加那/長雲/やちゃ坊
嘉徳(かどく)なべ加那/ゆいすら/数え唄/六調
(全17曲)




