島唄は教わるものではなく聴いて覚えるものだから、私のことは先生でなく、おじちゃんと呼びなさい。 その唄者は少年に言った。 そして一緒に唄ってくれた。その時唄ったヨイスラ節をおじちゃんが心から誉めてくれたから、少年はいっぺんに島唄が好きになった。 それから十年が過ぎ少年は青年になった。 おじちゃんの名は坪山 豊と言う。 その時の少年・貴島 康男は、坪山の弟子ではなく島唄でむすばれた息子なのだ。 二人の関係は今もあの日のままだ。
BLUE ◇貴島 康男